特別活動 希望の会

文科省 教科調査官と実践・研究者のネットワーク

     

第8回「希望の会 in 宗像」ミーティングレポート

<ミーティングの概要は 案内ページ をご覧ください>

6月7日 (土)、福岡県宗像市ユリックスで第8回の「希望の会」ミーティングと日本特別活動学会九州・沖縄支部研究会の合同研究会を開催しました。

当日は、130余名の方々に参加いただき盛会のうちに終了することができました。遠方から参加くださった方々、大切なお時間をミーティングのために割いて下さった方々本当に有難うございました。心より感謝申し上げます。

また、文部科学省の杉田 洋調査官、日本特別活動の遠藤 忠会長 (宇都宮大学教授) にもご参会いただき、お話をお聞きすることができました。お陰をもちまして「内容の濃い、得るものの多い」(参加者アンケートより)ミーティングになりました。お忙しい中に福岡までお出でくださった杉田調査官、遠藤会長に心よりお礼申し上げます。有難うございました。

以下に、ミーティングのレポートを報告させていただきます。

 

授業研究会「みんなで遊ぶ日がもっと楽しくなる
三の二のきまりをつくろう」

授業者: 福岡県宗像市立赤間西小学校 高木 陽一郎 教諭

この授業は、新しい学習指導要領に示された「自分達できまりをつくって守る活動」を議題とする学級会の具体化に挑戦したものでした。話合い活動は、はじめに「問題点を出し合う」、次に「出された問題点を仲間分けする」、さらに「仲間分けしたものをまとめタイトル的なものをつくる」、そして「問題を解消するきまりをつくる」という流れで展開されました。

3年生には、少し盛りだくさんだったようです。しかし、自分達の学級の問題を解決するために、自分たちできまりをつくって楽しい学級をつくろうと、一生懸命話し合っている子ども達の姿がスクリーンに映し出されました。

ビデオによる授業参観
本実践は、新学習指導要領に示された『自分達できまりをつくって守る活動』を議題とする学級会の具体化に挑戦したものであり、話題性が豊富な実践であった。話合いは「問題点の出し合い」「問題点の分類」「問題点の整理」「きまりの作成」という流れで展開された。
研究協議 (主な協議事項)
  • きまりをつくる話合いの中で、問題点を分類・整理することの必要性について
  • 話合いの中身(議題) について考えさせることと、話合いの方法を定着させることの重点の置き方について
  • 学級のきまりの捉え方について(問題点を解消するための具体的な方法、規範意識を高めるためのスローガン)
  • 学級のきまりと学級目標とのかかわりについて
指導・助言 (杉田 洋 教科調査官)
  • 本実践との関わりという点で、新学習指導要領は、よりより人間関係を築くことができる児童生徒、生活上の諸問題を話合って解決できる児童生徒の育成を目指している
  • 特別活動は年間指導計画を作成し、学校全体の取組として進めていく必要がある
  • きまりをつくること自体よりも、きまりをつくることのよさや楽しさを味あわせる必要がある
  • 子どもの感情が表に出る話合い、じっくり考える時間がある話合いをさせたい
  • 話合いは、子どもの生活から始まり、子どもの生活に帰るものでなくてはならない

協議会や杉田調査官の指導助言の内容について、今回、VTRを用いた授業研究会に挑戦してみました。VTR2台とデジタルカメラを用いて撮影し編集しました。発言者と司会グループの子ども達をそれぞれに撮影しました。参加者からは好評でした (今後の研究会でもお試しになられたらいいですよ)。運動会を二日後に控えたお忙しい中に授業を公開してくださった高木先生、そして、3の2の子ども達、本当に有難うございました。

 

対談
「新学習指導要領と特別活動の実践課題」

学習指導要領を直接作成された杉田調査官と、作成の協力者として関わられた遠藤会長による対談でした。今回の研究会には、「希望の会」と特別活動学会をコラボしてみようというねらいがありましたが、この日の対談には、この趣旨が十分に生かされていたと思います。

調査官からは、どのような想いを込めて学習指導要領を作成されたのか、熱い想いを語っていただきました。「私達一人一人が、特別活動のよさを語って伝えていかなければならない。」と、特別活動に取り組む者へ、重要な実践課題を示していただきました。

また、遠藤会長からは多様なデータをお示しいただきながら、子どもの育ちに特別活動がいかに大きな役割を果たしているのか、新しい学習指導要領の実施と学級経営の重要な関係などについてお話いただきました。

杉田洋教科調査官
特別活動の充実が、学校生活の満足度や関心と深くかかわっている。
遠藤忠日本特別活動学会会長
学級活動は特別活動の中心。みんな仲良く和やかにを基本原理と考えている。

 

【新学習指導要領のキーワード】
「人間関係」・「社会に参画する態度」・「自治的活動」・「学級経営」
【主な対談の内容】
  • グループエンカウンター等の捉え方
  • 学力向上や不登校と特別活動の関連
  • 教育政策とその成果の諸外国との比較
  • 集団づくりとしての特別活動
  • 道徳教育の理念徒と特別活動の実践
  • 日本人の教育観と特別活動の役割

新学習指導要領が告示されたこの時期に、これまでとこれからの特別活動のよさや課題を様々な角度からお話いただき、新学習指導要領の基盤にある考え方をそれぞれの立場で解説していただきました。

 

研究実践発表

各分科会のテーマ及びまとめ (分科会記録より) を紹介いたします。

第1分科会 (進行役: 木村 孝之)

1. 『小学校における特別活動の実践課題』(福岡県福岡市立当仁小学校 田中 利幸)
全体計画は、学校の課題が反映されていること、できるだけ具体的であること、重点がはっきりしていること、共通理解されていること等が大切である。
2. 『よりよい人間関係を築く力を育てる学級活動を目指して』(福岡県宗像市立日の里西小学校 伊澤 直美)
活動や経験の積み重ねとそれらの振り返り、個人や集団の伸びの評価が重要である。

第2分科会 (進行役: 阿部 龍彦)

1. 『評価を踏まえての創意あふれる特別活動を目指して』(京都府精華町立精華西中学校 河原 勝彦)
特別活動でどんな力をつけさせたいかを明確にした上で、評価の方法を含めた検討が今後なされていくべきである。
2. 『中学校教育における特別活動の実践課題』(埼玉県加須市立加須平成中学校 酒巻 克太郎)
小学校での経験の上に実践を積み上げていくことが大切であり、今後小中の連携を深めていく必要がある。

第3分科会 (進行役: 大嶋 正紹)

1. 『子どもが本気になって生活づくりに励む学校の想像』(福岡県北九州市立小石小学校 大庭 正美)
ビジョンとしくみをはっきりさせること、職員と管理職の人間関係を築いていくことが大切である。
2. 『学校経営に生かす特別活動』(埼玉県さいたま市立蓮沼小学校 今村信哉)
全職員の豊かな発想やアイデア、行動力を生かして、学校の実態に合った特別活動を実践していくことが大切である。

第4分科会 (進行役: 四ヶ所 清隆)

1. 『一人一人の心を育て、つながりを深めていく学級活動の創造』(福岡県北九州市立港が浜小学校 木村 英祐)
道徳と特別活動の互いのよさを理解し、それらをどう響き合わせるかが重要である。
2. 『学級経営の重点に基づく道徳教育の指導計画と指導の展開』(福岡県福岡市立愛宕浜小学校 浦美 保子)
内容的な関連と方法的な関連という二つの視点から考えることと、成果について分析していくことが大切である。

今ミーティングは、学会と希望の会の共同開催ということで、それぞれのよさを生かす会にすることを目指しました。たくさんの方にご参加いただき、充実した会になったことに感謝いたします。

各分科会に於いては、貴重な研究実践発表と熱心な協議が行われました。お忙しい中に、ファシリテーターを努めていただいた先生方、スムーズな進行と適切なまとめを有難うございました。また、スタッフとして早朝から動いてくださった30名の先生方、本当に有難うございました。心から感謝申し上げます。

希望の会 世話人・福岡県宗像市教育委員会 教育政策課
脇田 哲郎

コメント: 7

  1. 木村 孝之

    埼玉県菖蒲町立三箇小学校 木村 孝之と申します。
    宗像での「希望の会」と日本特別活動学会九州・沖縄支部研究会の合同研究会に参加させていただきました。

    脇田先生からのメールにもありましたが、共に特別活動の大切さを確信している二つの組織が手を結んだ今回の会は、本当に意義深く、また感慨深い会でした。

    特に遠藤学会会長と杉田調査官との対談ではその思いを強くしました (対談後の脇田実行委員長のお言葉でぐっときた方も多かったのではないでしょうか)。

    杉田先生の熱い思いが込められた新しい特別活動と今回出された実践課題について、実践、研究を積み、また情報交換できる日を楽しみにしております。

    終わりに脇田委員長はじめ、お忙しい中貴重な提案をしてくださった提案者のみなさま、そして最後の最後まで、最高の笑顔で接してくださいましたスタッフのみなさまに厚く御礼申し上げます。

    どうもありがとうございました。

  2. 酒巻 克太郎

    埼玉県の酒巻 克太郎と申します。

    6月7日(金)の希望の会、学会九州・沖縄支部合同の研究会に参加させていただきました。大変遅くなりましたが、脇田先生をはじめ関係者の皆々様にあらためて御礼申し上げます。また、この1週間のなかで、いろんなことがありました・・・東方地方の先生方・・・お元気でしょうか・・・心よりお見舞い申し上げます。

    さて、ここから7日の研究会のご報告等を申し上げます。
    今回の研究会は、諸先生方の報告にもあったように午前中から夜中まで?大変アツイ充実した1日となりました。私が1日を通して、心から共感したこと、体感できたこと等いくつかを簡潔にいいますと・・・

    1. 高木先生の学級活動に臨んだ思い、杉田先生のお言葉をかりて言うならその「チャレンジ精神」
    2. 杉田調査官の学級会の授業をみる視点のお話と特活・新指導要領・そして現場の先生方への思い
    3. 対談のなかで遠藤会長がお話された「(答申等の文言の中での)学びだけでなく”育ち”ということをもっと強調するべき」という一連の教育改革への思いやデータをふまえたとらえ方
    4. 同じく遠藤会長がお話された「わきあいあい・・・」という歴史的なお話
    5. 中学校分科会に参加していただいてた小学校の先生の中学校への思い。またファシリテーターの阿部先生個人の中学校学級活動に対する見解、思い。河原先生の評価の提案、思い。
    6. 脇田先生やスタッフの先生方の心あたたまるお気遣い。九州の先生方の情熱と実践。本当にありがとうございました。
    7. 懇親会での多岐にわたる諸々の談議

    などいくつも思い出されます。つきなみな言葉ですが、有意義で実のある1日でした。大変深い1日でした。参加させていただいてよかったです。またいつかお会いできる日を楽しみにしております。

  3. 伊藤 紀子

    希望の会の皆様、宗像大会のスタッフの皆様へ

    こんにちは、名古屋の伊藤です。
    九州はとても遠い地と感じていましたが、この会や参加される方々の魅力があれば、ぐっと近い場所になるものですね。とても 有意義な1日を過ごすことができました。勉強不足の私には今回も「はっ」と気付くことが多くありました。

    また、この会は、主催元や協議内容の大きさからは考えられない開かれた会であることを感じます。一担任、まだまだ勉強中の私の稚拙な意見にも耳を傾けていただけたり、どの会でも参加者の中に若い先生方(初任さん 2、3年目さん)の参加があったりします。私の記憶では、この会は3年計画の会であり、後1年ですよね。(長く続いてほしいものですが)

    杉田調査管をはじめ、普通ではお話しを伺うことができない立場の方、他県の方と協議 情報交換できる開かれた会です。でも、参加しようという気持ちがあれば参加ができる、とても開かれた会ですよね。もし、参加することを迷って見える方には、是非参加をおすすめします。

    さて、今回も様々学ぶことができました (まとめも楽しみです)。また、何気ない言葉が活力になります。私は、杉田調査官が、改訂の背景を語られるときの「今までも特活は十分に人間関係つくりなどに貢献していましたが・・」と、これまでの取り組みに対するあたたかい言葉が心に響きました。遠藤会長の特活の歴史のお話しでの「特活は学校にはわきあいあいが必要の言葉で始まった。」に、学校・学級には、せねばならぬから特活があるのでなく、必要不可欠な活動なのだ、という心強い裏付けを知りました。

    では、次回も楽しみにしています。最後ですが、お世話いただいた皆様、ありがとうございました。

    名古屋市立八幡小学校 伊藤 紀子

  4. 今村 信哉

    ご無沙汰しております。世話人の今村です。

    先日の宗像市での日本特別活動学会と特別活動「希望の会」のコラボ、素晴らしかったですね。私は遅刻、早退のような形で埼玉と九州の日帰りとなってしまいましたが、とにかくいつもの熱気と共に新学習指導要領告示後初の研究会という緊張感を感じて身震いしてしまいました。個人的にも分科会の提案者などを仰せつかったものですから、それとはまた別な緊張感を持って参加させていただきました。

    第3部会では大庭校長先生と私が発表。学会の分科会というより、福岡の研究会で発足!?した「希望の会」管理職部会の発表のような形となってしまいました。しかし、私としては大変勉強になりました。同じ臭い(失礼)を感じていた大庭氏との共通点はご指摘のように多々あったのですが、氏のバイタリティーにはかなりの刺激を受けました。もう一歩進まなくてはという意欲が湧いてきたのです。大庭氏は無論のこと、このような会を企画運営していただいた中川先生、脇田先生、そして多くのスタッフの皆様に感謝いたします。

    特別活動「希望の会」は次々と研究会を持ちます。第9回は佐賀で10月4日(土)、第10回は遠藤先生からお知らせのあった宇都宮大学で11月29日(土)、第11回は山口で1月に。お近くに来たときは是非ご参加を!!

  5. 大庭 正美

    北九州の大庭です。

    今村先生ご指摘の通り、私もまったくの同感でした。世の中には似た人がいるものだなと思いました。しかし、非常に安心しました。九州でも埼玉でも、特活を大事にすれば似たような学校経営になるのかなとも思いました。もっともっと今村先生の学校経営に近づけるように、アイディアと実行力を駆使して、今以上に活気に溢れた学校を創っていきたいと思います。

    今回、日帰りで参加した多くの先生方の情熱に敬意を表します。今村先生をはじめ埼玉の先生方、翌日が修学旅行にもかかわらず参加された熊本の先生方、すごい人たちばかりです。特活に対する情熱を感じるばかりです。そのような先生方と共に学んだ今回の研究会は刺激的でした。これからもさらに特別活動の素晴らしさ・大切さを広めていけるように力を尽くしたいと思います。

    今回、日本特別活動学会の遠藤会長の話はやはり素晴らしかったです。昨年もお話を伺ったのですが、我々の実践に意義付け・価値付けをしてくださっているようで、非常に心強く思いました。本当にありがとうございました。

  6. 西川 記世

    希望の会のみなさま,実行委員会のみなさまへ

    佐賀県佐賀市立春日北小学校 教諭 西川 記世(きよ)と申します。

    昨年度まで,佐賀県教育センターの研修員として2年間勤務しておりましたが,今年度の異動により,センター研究連携校の春日北小学校4年2組担任として毎日,子どもたち33人と向き合っております。学級の旗を滑車付きで掲揚できるようにするなど,ガールスカウトのノウハウを使って楽しんでいます。

    このたび,6月7日(土)の学会及び希望の会の研究会に,事務局側として参加させていただき,福岡県内の多くの先生方と一緒に大会を盛り上げるという経験をさせていただき,大変貴重な大会となりました。ありがとうございました。

    また,杉田調査官と遠藤会長様の対談,授業のDVDを見ての協議,第3分科会の「学校経営と特別活動」などから多くのことを学ぶことができました。

    具体的には,今村信哉校長先生と大庭正美校長先生のお二人の「非言語コミュニケーション」というツールを使った学校経営。つまり,おおげさかもしれませんが,「子どもの写真で学校経営を語る」という姿勢が共通しているように思いました。

    校長室前や玄関前には,たくさんの子ども達が学校で生活している表情たっぷりの「笑顔」「涙」「真剣なまなざしや顔」などがあり,その写真を通して「子どもたち一人一人を大事に育てているのですよ~」と家庭や地域へ発信されておられると思ったのです。

    分科会へ参加する前に,お二人の共通点は,一体何だろうと自分なりの課題をもって参加しました。すぐに答えが見付かりました。それは,多彩なパフォーマンスや写真,企画力など特別活動がもっている魅力的な引き出しを存分に使うということが共通しておりました。

    好ましい人間関係を築く土台づくりは,特別活動の基本だと思います。多くの保護者や子どもたちの人間関係をよくしていくのか,学校経営は最大の課題かもしれません。(まだ,管理職ではないので不勉強ですが)

    その課題にどうやって対策を打ち出しておられるか。分かったことは,文字(文書)ばかりや,難しい説明で保護者の心を捉えようとするばかりではなく,こういった,非言語コミュニケーションを使うことが,いかに魅力的な学校づくりに貢献できているのか,ということでした。

    私は,「モンスターペアレンツは,いますか?」と質問をさせていただいたのですが,やはり,「自分の子どもを,このような表情の写真であつく語られると,文句のいいようもなくなる」そういうお答えだと解釈しましたが・・・よかったでしょうか? 私は,自分の学級におきかえて,対策をまねしていきたいと,さっそく思いました。

    杉田調査官も子どもたちの表情を研究授業などで,よく写真に撮られているのをお見かけしていましたが,今回,今村校長先生も大庭校長先生も,みなさま,共通して「素晴らしいカメラマンだ」と確信いたしました。私も,子どもたちが見せてくれるいろんな表情を大事にして,多くの人達に語りたい。また,その場面をつくりたい。その表情を見逃すことをしないよう心掛けたい。できれば,シャッターをきることができる術を身に付けたいと思いました。(次のボーナスは,さっそくマイデジカメ購入かな?)

    以上,ご報告申し上げます。

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